リストカッターの敗北
突然ですが、私は自傷以外で残る傷を作ったことがありません。
せいぜい転んで膝の骨にヒビを入れた程度ですが、それも傷は残ってませんし、あー敢えて言うなら虫刺されの痕は残るかも…
だからね、料理中に発狂して突然リストカットをすることはあっても、包丁を滑らせて手を切るような真似はしたことなかったんですよ。
それはある種の矜持でもありました。
私以外のものが私に傷を付けることは無いという安心でもありました。
メンヘラ、敗れたり。
いや、いや、これね、ショックですね、料理中に手を切るの。
指先にほんのかすり傷でも、血が出たことが許し難いです。
私以外のものが私を傷付けることはあってはならないので。
でも今夜は美味しいほうれん草のおひたしです。
義父の育てた立派な葉のほうれん草が、
私の尊い血液(0.00001ml)を犠牲におひたしになりました。
食べる前にかつお節をかけたいです。